一時期、テレビやネット・SNSで騒がれていた年収の壁の問題。
働く上で、大事な税金問題ですが、皆さんはどこまで理解していますか?
正直、いまひとつよく分からん!という方も多いはず。
一緒に考えてみましょう。

そういえば、年収の壁がどうのこうのと騒がれていたけど、結局あれってどうなったの??
いつから変わるの?

令和7年度税制改正により、所得税の「基礎控除」や「給与所得控除」に関する見直しがあり、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます。

壁はひとつではありません。4つもあります。
家庭に、自分に合った働き方を考える上で、全部大切ですので、しっかり見ていきましょう。
103万の壁って?
103万の壁は所得税のお話
103万円→160万円へ!!と言われているのは、所得税の話。
従来、給与所得者で103万円に納まるように働き方を抑えていた人は、そろそろ超えないように気を付けている頃でしょうか。
給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円=所得税がかからない。
これが「103万円の壁」!
それが、給与所得控除額や基礎控除額の改正により、160万円に引き上げられるのです。(令和7年12月1日施工)
給与所得控除65万円+基礎控除95万円=160万円!となります。


出典:国税庁ホームページ(表を抜粋)
令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)(PDF/796KB)

パートの時間、もう少し時間を増やせないかと言われてたから、もっと働いていいのね!

待ってください!
壁はひとつではありません。他にも考えないといけないことがありますよ。
あと、アルバイトしているお子さんはいますか?

大学生の子供がアルバイトをがんばってますね。
そういえば、子供のアルバイトはノータッチでしたけど、何か関係ありますか?

関係あるんです!
つい、忘れがちになってしまいますが、子供のアルバイトも対象になります。
子供のアルバイトも対象
忘れがち、漏れがちですが、この「103万円の壁」は、配偶者だけではなく、子供のアルバイトも対象です。
子供は自分のお金が欲しいから一生懸命働いて稼ぎ、親は子供がどれだけ稼いでいるか知らないから扶養親族に入れたまま…数年経ち、税務署から「従業員の〇〇さん、子供の△△さんの所得が超えていて扶養親族から外れるので、年末調整の計算をやり直してください」と連絡が入ってくることがあるんです。
こっちの「103万円の壁」も年収103万円なんですよ!!

そういえば、いくら稼いでるんだろう??
子供とも一度きちんと税のお話しないとダメですね。

これも、令和7年12月に、
大学生年代(19~22歳)の子どもがいる親の負担を軽減する「特別親族特別控除」により、150万円に引き上げられます。
この背景には、労働力(人手)不足や物価上昇への対応があります。
これにより、働き控えしていた人も、働く時間を増やすことができます。

なぁんだ。子供も大丈夫そうね!
よ~し!働く時間を増やして稼ぐぞ~!

ちょっと待って!!
冒頭にもお伝えしたように、壁はひとつじゃないんです!
要注意!社会保険の壁は残る!!

え、社会保険??

社会保険の壁は残るので要注意!!
社会保険には「106万円の壁」と「130万円の壁」2つの壁があります。
「106万円の壁」とは
- 1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である
- 月額賃金が88,000円以上である
- 2か月を超える継続雇用の見込みがある
- 学生ではない(休学中、夜間学生は対象)
- 従業員数(短時間労働者ではない、社会保険の被保険者数)が51人以上の勤務先

当てはまらないから安心。。。ではありませんよ。
もうひとつの「130万円の壁」
もう一つの「130万円の壁」
年収が130万円を超えると、すべての人は扶養から外れ、勤務先の社会保険に加入するか、もしくは自分で国民年金や国民健康保険に加入しなければなりません。
要注意なのが、この「すべての人」には、学生も含まれます!

ということは、自分が今後どうしたいかを考えて働き方を変えていかないといけないってことですね。

収入を増やしたいなら、どの壁を越えたらいくら手取りが減るのか、増やすのならどのくらいまでの金額の収入を得ないといけないのか、色々シミュレーションしてみるといいですよ。
最後の壁「住民税の壁」

あっ!
もう一つありました!!それは【住民税の壁】です。
約100万円を超えると、住民税の課税対象になります。
なぜ、“約”なのか…住民税は居住地の自治体が徴収するのですが、課税基準は自治体によって異なるためです。

自分の住む町の自治体の課税基準がどうなっているか、気にしたこともなかったな。

詳しくは、お住まいの自治体に確認してみてください。
まとめ
年収の壁のお話、いかがでしたか?今すぐぶつかる壁は4つありました。
- 103万円の所得税の壁
- 106万円の社会保険の壁
- 130万円の社会保険の壁
- 約100万円の住民税の壁
せっかく良い環境でお仕事をしているのに働き控えをするのはもったいない!
ご自身の収入をしっかり増やすためにも、これを機に働き方を考えてみてくださいね!
ただご自身だけでなく、配偶者の所得控除をうけている世帯の手取りにも影響が出るので、世帯全体の収入でも考えてくださいね!

得をすることばかりではないので、ご自身の働き方と合わせて、家族みんなでお金について話してみる機会だと捉えてみるのもいいかもしれません。
働く皆様にとっては、ただやみくもに壁を超えてしまうと、せっかく収入を増やすために働いたはずが、引かれるものが増えてしまって、手取りが減ってしまった~ということになってしまうので、気を付けて!

わざびとさんには、ていとの「わざびとイベント」の日に定期的にお金のお話をしております。
詳しく話してほしい!ってわざびとさんは、何が知りたいのかを、わざびとグループチャットに投稿してくださいね!!すぐに回答できるものは回答しますし、良いお題は、次の議題でお話しますよ!
<参照サイト>
国税庁ホームページ「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
厚生労働省ホームページ「年収の壁について知ろう」
総務省ホームページ「個人住民税」